第1章 画像処理の世界への招待

  1. ディジタル画像データの構造
  2. 画像処理例

ディジタル画像データの構造

ディジタル画像には次の様な特徴がある。(本書1.3より)

これらの理由を理解するにはディジタル画像の構造を理解せねばならない。

ディジタル画像データの扱われ方

ディジタル画像データの構造について説明する。

ディジタルデータは0と1のみで表現される。この0と1がコンピュータが扱う最小単位で ビット(bit)と呼ばれる。スイッチの一つでONとOFFの二通りが表現出来るのと同じである。
色1つを表すのに何ビット用いるかによって、 表せる色、データサイズともに変わってくる。
ここでは、具体例として1bitと24bitのディジタルデータについて簡単に説明する。
ここで基数は下付で表すことにする(たとえば、123416は16進数)。

1bit

色1色を表すのに1bitを用いると、0と1の2通り、つまり白か黒しか表せない。

0 1 0 1

たとえば上の4画素を表現したい場合、01012の4ビット で表現できる。

24bit

赤緑青(RGB)の3色をそれぞれ8bit(256段階)、計24bit用いて表現する。
224 = 16777216色を表すことが出来る。
人間が認識できる色は各色256階調以下と言われており、 十分な色数を表示できる。
このページではカラー画像を24bitで表す。

たとえば、
赤の階調のみを最大限(255)にした色は
red11111111 00000000 000000002(FF000016)
で表すことができる。他にも例を挙げておく。

green00FF0016
blue0000FF16
tellowFFFF0016

の様になる。
さらに、興味があれば、24ビットのビットマップファイルをバイナリエディタで見てみると 実感できるだろう。

24bitにさらに特有の情報8bitを付加した32bitで表す場合もある。

画像処理例

元画像
具体的な画像処理例を挙げる。
各処理の特徴を示すが、その処理方法については、ここではふれない。
上の画像を元に処理をした。

グレースケール化

グレースケール
色情報(彩度)をすて、灰色のみで表す処理である。
彩度のデータを捨てるので、カラー画像よりもデータの大きさを 小さくすることが出来る。
形や明るさのみが必要な時に有用。

二値化

二値化
画像を0と1(黒と白)で表す処理である。
0と1のみのデータなので、格段にデータの大きさを小さくできる。
対象を抜き出したいとき等に有用である。画像処理ではしばしば用いられる。

エッジ抽出

エッジ抽出
色と色の境目を抜き出す処理である。
上の画像は本書でも紹介されているラプラシアンフィルタを用いた。

回転

回転
画像を回転させる処理である。

明るさの調整

明るく 暗く
暗くて見づらいときに有効。
左は明るく、右は暗く調整した。

コントラスト調整

低コントラスト 高コントラスト
コントラストとは画像の明暗の差のことである。
例えば、メリハリのない(コントラストの低い)画像のコントラストを強調すると、 メリハリのある画像が得られる。
左の画像はコントラストを弱め、右の画像は強調した。